花火の夜に灼熱のたてがみがゆれる 黄金の磯巾着が誘う 今夜限りの流星群が 私を宇宙へ持っていく 目を奪われて 吸い込まれそうになって 気付かぬうちに おびきよせられて 我に返った私は 地面を足で確かめる 今までどれくらいの人が夜空に誘いこまれ 光の輪の奥に隠されているのだろう 吸い込まれた人間たちは 花火たちの美しさの源となって。 彼らの望郷の叫びが今夜も 花火と地球を吸い寄せあわせる。 声は花火にかきけされ届かず 姿は花火にくらまされ映らず 花火の夜にまた誰かがいなくなる。 次へ ジャンル別一覧
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